21年春夏のレディスのリアルクローズは、ペールトーンの優しいきれいな色とシアー素材がヒットしそうだ。素材の新たな芽としてデニムも気になるところ。ナチュラルでクリーンなスタイルが広がりを見せる一方、ボリュームスリーブやフリルといったデコラティブなディテールを特徴としたクラシカルな雰囲気にも注目だ。
全体的な傾向として、どのテイストのブランドでも新型コロナの憂鬱(ゆううつ)な気持ちを色で明るくしたいという思いが高まっている。海外コレクションでキーワードになった「自然への憧憬(しょうけい)」がマスマーケットでも鍵となる。柔らかな春の風や日の光をほうふつとさせるように、ペールカラーとシアー素材の組み合わせで繊細なムードが漂う。
癒やしのグリーン、ブルー…
色はアイボリー~ベージュを基調に、差し色のラベンダーやクリームイエローのほか、グリーンやブルーが新鮮だ。柄はボタニカル、少数だがタイダイも出ている。
素材はシアーへの期待が圧倒的に高い。「アウラアイラ」は春夏展でレースの上にシアー素材を重ねたブルゾンが人気だったほか、「ジャスグリッティー」ではチェックのオーガンディを使ったフレアスカートが好反応だった。透け感という点ではクラフト感のあるクロシェやカットワークレース、メッシュもある。