ブランドには得てして栄枯盛衰があるものだが、中にはリブランディングを経て長寿化するブランドも存在する。これまでブランディングはクリエイティブによる右脳的/感覚的なものと捉えられることも多かったが、過去の事例を振り返ってみると、その成否には共通点があるように見受けられる。本稿ではリブランディングを再現可能なものと捉え科学することを試みたい。
宿命に対する打ち手
アパレル業界は消費財の中でもトレンドの波が激しく、一世を風靡(ふうび)したブランドであっても縮小や廃業に陥るものは数多く存在する。こうしたブランドビジネスの宿命に対する対応としては、大きく二つの打ち手が考えられる。
一つはブランドポートフォリオマネジメントだ。特に大手のアパレル企業がそうしているように、継続的に新しいブランドを生み出し複数のブランドを保有することで会社全体のブランドの寿命を平準化する。
そしてもう一つはリブランディングである。実際にリブランディングを行うことで長寿化に成功したブランドはアパレルのジャンルを問わず存在する。ここではリブランディングに焦点を当てる。
「捨てる」と「残す」
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