購入体験プラットフォーム「リカスタマー」 ジュンやユトリなど200サイトが導入

2024/10/17 06:26 更新


辻野COO

 購入体験プラットフォーム「リカスタマー」を提供するリカスタマーは、SBIインベストメントをリード投資家とし、スタートアップのアーリーステージであるシリーズAで5億円を調達した。累計の資金調達額は8億6000万円となった。

 同社は注文商品の配送追跡や、購入商品の返品・交換・注文キャンセル業務を自動化するサービスを提供している。開始から約2年半で導入サイト数は200を突破。TSIホールディングスやジュンからプレイ・プロダクト・スタジオやユトリまで、大規模ECや近年成長が目立つECへの導入を増やしている。

 「ECの〝購入後体験〟が、より重要になっている」とは、辻野翔大COO(最高執行責任者)。人口減やCPA(顧客獲得単価)の高騰、EC化率の伸びの鈍化など、様々な要因で新規顧客獲得の難易度が増しているからだ。F2・F3転換率(2回目・3回目購入割合)やLTV(顧客生涯価値)などの既存顧客に対しての指標が、「相対的に重要視されるようになってきた」のがEC業界のトレンドだ。

 返品対応などの業務を手厚くすることは「これまではカスタマーサポートの一環としてコストと捉えられることも多かった」。しかし今は、初回購入者の「ECで買わない理由をなくす」だけでなく、「既存顧客への一番最初のアプローチ」として見直されつつある。新規客から既存顧客に変わる瞬間、つまり購入直後の体験を良くすることで、「売り上げに結び付く領域になる」と意識が変化しているという。

 店頭回帰やOMO(オンラインとオフラインの融合)が進む中、今後は店舗でEC購入商品の返品を簡単にできるサービスの開発も検討している。

 ユーザーと摩擦が生まれやすい返品や問い合わせ対応への不安や不満を事前に取り除き、「またここで買いたい」と思ってもらえるECの実現に向けて、機能拡充と事業基盤を強化していく。



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