「ロンハーマン」 構造たんぱく質素材で上質なニットウェアを今冬に販売

2023/06/09 06:28 更新


「サステイナブルだから」ではなく、デザインや触り心地の良さで選んでもらえる商品にしたという

 サザビーリーグの「ロンハーマン」は、構造たんぱく質素材「ブリュード・プロテイン」を使用したニット製品を企画した。今冬、数量限定で販売する。力を入れているサステイナブル(持続可能)な取り組みの一環。「2年ほど前から協業を依頼していた」という根岸由香里ディレクターは、「時間をかけて勉強した分、素材の良さを生かした商品になった」と語る。

 ブリュード・プロテインはバイオベンチャーのスパイバー(山形県鶴岡市)が開発した植物由来の構造たんぱく質素材だ。22年春にタイでの生産が本格化し、鶴岡市の紡糸能力も向上したため、今回の協業に至った。

 ロンハーマンとスパイバー、豊島の3社が合同で、オーガニックコットンの「トゥルーコットン」とブリュード・プロテインを50%ずつ混紡した糸を開発した。細番手の糸をハイゲージで編むことでブリュード・プロテインの特性を生かし、水分を含んだような滑らかさや手触りの良さを引き出した。染色加工の環境負担を考え、あえて無染色で、ブリュード・プロテイン本来の色である少し青みがかかった生成り色を生かした。

 商品はプルオーバーとフーディー、パンツ、ビーニー(ウィメンズのみ)の7型。定番品にブリュード・プロテインを使うことで、「ワードローブからサステイナブルなものに変えていく」考えだ。

 参考価格はプルオーバーで11万円を見込む。希少な繊維を使うため、他の商品よりも高くなるが、「商品としての魅力や物作りの背景をしっかりと顧客に伝えたい」(根岸さん)という。発売は11~12月ごろの予定。

 ロンハーマンは「25年までに全てのオリジナル商品の主要素材を環境配慮型素材に変える」目標を掲げている。21年から本格的に取り組み、22年春夏時点で49%に達した。今回の素材開発は25年の目標達成に向けての「大きな前進」としている。

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