岡山の両備グループのシステムインテグレーター(SIer)、両備システムズ(岡山市)は、主力のパッケージ製品であるファッション・アパレルの基幹業務ソリューション「サニーサイド」シリーズの拡販に本腰を入れる。従来の販売管理と専門店向けシステムに加え、10月に生産管理システムをリリースし、都内で開かれるファッションの合同展示会に出展、三つのソリューションをそれぞれ披露する。営業パートナーである大手ITサービスなどの手も借りながら、定評のある製品を売り込む。
(永松浩介)
来年60周年を迎えるSIerのファッション企業向けの製品であるサニーサイドは、両備のメーカー・卸向けシステム「花衣」と靴業界向け「フットライン」、21年にグループ入りしたドリームゲート(大阪)の専門店向けパッケージの「どんとこい」をブランド統合したもの。
生産、卸、小売りを網羅した基幹業務ソリューションで、メーカー・卸向けの生産管理の「メーカー」と販売管理の「セールス」、ファッション小売業向けの業務管理の「リテール」の三つから成る。かつての競合である大手ITサービスもセールスに協力している。
生産や販売管理、小売業向けと一貫で揃っているのが売り。SPA(製造小売業)だとそれぞれを連携させて利用したりも出来る。「岡山・児島など地場の中小アパレルの声を聞き、細かく改修」(同社)、業界特有の商品・生産管理のやり方に応え、品質を高めてきた。
小売業向けはMDや分析、在庫管理に加え、店舗とのコミュニケーションツールなどもオール・イン・ワンでパッケージ化されているのが強みだ。
同社はデータを保全・活用できるセンターも自前で所有している。
10月に生産管理のシステムをリリースしたことに伴い、15日から始まった都内の合同展に出展、三つのソリューションのデモンストレーションに加え、在庫・納期などの商品情報を発注側、受注側とも共有できる機能や物流管理のオプション機能も紹介する。
導入後は、経験豊富なSEがコンサル的に伴走し、顧客企業の運用定着を支援する。現状は、川中、川下企業が対象だが、将来は川上へのソリューション提供も展望している。