シタテル 国内縫製工場と組み、プロスポーツのユニフォームをアップサイクル

2024/05/17 06:27 更新


福井センイと組み、廃棄予定のアイテムを再生するシステム「ブックマークウェア」を始動

 衣服・ライフスタイル製品生産のプラットフォームサービスを提供するシタテル(熊本市)は、縫製工場の福井センイ(京都府舞鶴市)と組み、廃棄予定のファッション製品をアップサイクルするシステム「ブックマークウェア」を始めた。これを活用し、プロバスケットボールリーグのB1所属「長崎ヴェルカ」が21~22年シーズンのユニフォームを再生し、新たなウェアを作った。

 ブックマークウェアは、思い入れのある服の一部を読書に使う〝しおり〟サイズに切り取り、胸に留め、新しい形で着用できるオリジナルのアップサイクルウェア。切り取る生地の種類やデザインが多様なため、個別に最適化された裁断・縫製・品質管理が必要で、対応できる工場は多くない。シタテルには4000を超える供給パートナーとのネットワークがあり、そのうちの1社の福井センイと取り組み、サービス提供を実現した。

 バスケットボールに限らず、プロスポーツクラブはグッズ販売の収益柱のため、ユニフォームが毎年リニューアルされる。シーズン終了後、残ったユニフォームはセールで販売されるか、在庫を抱え廃棄され、うまく活用されていなかった。

 長崎ヴェルカはクラブを通してファンやパートナー企業とともに、社会問題を考える活動をしている。その一環として、ユニフォームをアップサイクルしたいと考えて今回、21~22年シーズンのユニフォームを使用したTシャツを制作・販売した。ファンにとって、シーズンを共に闘った思い出深いユニフォームの一部が使用され、なおかつ同じデザインが少ないため希少価値も高く、プレミアムグッズとして好評だった。

「長崎ヴェルカ」が21~22年シーズンのユニフォームをアップサイクルし、新たなウェアを製作

 福井センイでは「国内のファッション業界に対して強い危機感があり、縫製工場として旧態依然とした受け身な仕事のやり方だと立ち行かなくなると考えている。安く大量に縫うために海外に流れている仕事を、価値創造力で国内回帰させ、もっと縫製業を活性化させたい」と強調した。

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