スノーピーク 全国にキャンプ場開設 24年春、関東初の施設も

2021/06/03 06:30 更新


15年4月から運営している「スノーピーク奥日田キャンプフィールド」

 スノーピークが、キャンプ場運営事業を強化する。このほど、全国47都道府県で同社運営のキャンプ場パートナーの募集を開始。24年春には、栃木県鹿沼市に関東初のキャンプ場を開業することも決まった。キャンプブームが続くが、キャンプ場の予約が取りづらいなど、増加する需要に施設整備が追いついていない。受け入れ拠点の拡大を急ぎ、キャンパーの定着を図る。

(杉江潤平)

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 キャンプ場のパートナーに想定するのは、自治体や企業など。現在キャンプ場や都市公園、スキー場、ゴルフ場、遊休地となっている場所で、テントサイトを60以上と管理棟などを確保できる約2万平方メートル以上の広さを備えていることが条件。スノーピーク側がキャンプ場や店舗運営、施設整備支援、情報発信・集客などを担う一方、パートナー側は立地紹介や施設・インフラ整備、地元とスノーピークとの関係を取り持つ役割を果たす。

 同社はこれまで、子会社のスノーピーク地方創生コンサルティングが主体となり、自治体・企業向けに地域資源を活用した野遊び拠点整備コンサルティングを数多く行ってきた。現在、指定管理・自社運営形式含め全国にキャンプ場を7拠点展開している。その一つ、大分県日田市にあるキャンプ場は、同市が運営していた施設を改修し、同社が運営するようになり、5年で宿泊利用者が3.3倍、物販を含む施設収入を6.5倍にした。17年4月にスノーピークが指定管理業者となった北海道帯広市のキャンプ場は、運営後3年で宿泊利用者が3.6倍、収入は35.8倍になったという。

 一方、栃木県鹿沼市に開業が決まったキャンプ場は、敷地面積が約5万平方メートル、建築面積は約1500平方メートルとなる。約90区画のキャンプ場に加え、「スノーピーク」の直営店や温浴施設、イベントに利用できる開放的な多目的広場や中庭を備える。地元事業者の飲食店や食品加工所も併設する。同市が進める「水源地域振興拠点施設」の指定管理予定者として選定され、このほど覚書を締結した。

 鹿沼市は大芦川や「小尾瀬」と呼ばれる井戸湿原など、豊かな自然資源に囲まれながら、都心から2時間圏内というアクセスの良さが魅力の地域。スノーピークがこれまで培ってきたアウトドアの知見と鹿沼市の自然資源を活用し、相互に連携協力しながら地域活性化を目指す。



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