「面白い生地をアジアで作る」――スタイレム瀧定大阪は、デザイナーの中嶋峻太氏と業務提携し、東南アジアやインドで個性豊かな生地を生産して販路拡大を目指す。
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東京オフィスで初開催した「25年アセアン・インドテキスタイル展トライアングル01」で、中嶋氏との協業生地を見せた。第一事業部テキスタイル2部12課のメンバー全員がファッション、テキスタイル好き。「だからこそできる生地作りがある」と同課の酒井聡太課長は話す。
70年代のオープンカラーシャツから着想した綿・ポリエステル生地をタイで作ったり、ミリタリーテイストでは、〝着込むほどに味が出る〟薄起毛した平織りの二重織りをインドのオーガニックコットンで作る。
トレンドから逆算したテキスタイル開発で独自性を発揮する。「ストーリーがあり、サステイナブルで、良い製品に仕上がる生地。今後は顧客も一緒になって楽しんでもらえればできることは広がる」と取り組みを深める。
同課はこの2、3年で、インドなど海外のテキスタイルメーカーとの協業を増やしており、特に「差別化できる」と綿にチャンスを見いだす。チノクロスやシャツ地などベーシックな素材にオーガニックコットンを使ったり、最新のトレンドを反映した生地を作り、強みにする考えだ。
小ロットに対応できるよう、5月から東南アジアやインドなどで生産した生地をベトナムで在庫するサービスを始めた。1反から即納できる体制を整えた。