ランニングウェアブランド「タヌキ」が、各地域の有力ランニング専門店から支持されている。ビッグシルエットのTシャツや幅広のウィンドブレーカー、サルエル風パンツなどスポーツウェアらしくないデザインと機能素材を採用し、国産にこだわって物作りに取り組む。22年からは文化服装学院の同好会「ブンカランニングクラブ」とも協業。機能性とファッション要素を掛け合わせた製品を作り始めた。
ブランドを製造・販売するのは、良羊社(東京、加藤穂奈美代表)。程良くゆったりとしたシルエットで、キャメルやカーキ、オリーブ、ネイビーなど落ち着いた色を使う商品は、おしゃれで可愛らしい。例えば、代表作の一つであるウィンドアノラック(税込み2万2000円)は、ファブリックに「パーテックスイクリブリアム」を使って高い防風透湿性を担保しながら、ゆとりのあるフィットを採用し、レトロでカジュアルさがあり、日常使いにも適している。
タヌキは20年にスタート。メジャーなスポーツブランドが作るタイトで派手な色使いばかりのスポーツウェア・アクセサリーとは一線を画していることなどから、トレイルランナーの間で火が付き、インスタグラムなどで瞬く間に拡散。最近はロードランナーにも広がりを見せている。
卸先は、「ランボーイズ!ランガールズ!」(東京)など、各地域に根差す個性的な有力ランニング用品専門店。国内17店、海外4店と取引している。
ランニングの楽しさを広げる産学協同にも力を入れる。22年からは文化服装学院にあるランニング同好会との協業を開始。タヌキ関係者と同好会メンバーらがグループランニングを重ね、その中で得たインスピレーションを商品製作と販売につなげている。第1弾商品は、モックネックで右裾にリブスリットを入れたスウェットトップ(1万4300円)。ナイトランを想定して光を反射するリフレクター機能を備えている。
11月2日に開催された文化服装学院文化祭で先行販売、同6日にはタヌキのオンラインショップで販売を始めた。4色のうち、既に完売した色もある。
(繊研新聞本紙23年12月6日付)