東京・錦糸町のテルミナ 感度を高めて増収継続

2019/02/18 06:30 更新


 錦糸町ステーションビルが運営するJR総武線・錦糸町駅ビル、テルミナ(東京都墨田区)は、テナントの入れ替えで感度を高め、増収を継続している。この春も入れ替えを進め、パルコの開業で変化が見込まれる客層に対応する。

(田村光龍)

【関連記事】錦糸町パルコ 3月16日開業 105店で年間売上高115億

 同施設は、営業面積1万8500平方メートル。南口のヨドバシカメラが入り、食料品、レストラン、ファッション、サービスを組み合わせた「テルミナ」、飲食店が入る「テルミナ3」と、北口の「テルミナ2」で構成される。近隣住民、在勤者のほか東京東部から都心に行かなくてもすむ利便性で集客、地域に定着している。この間、駅の北側を中心にマンション開発が進んでおり、所得が高めの30代が流入しているという。

 これらを踏まえ18年春に行ったテルミナ2のファッションゾーン「ラガール」の改装では、高架下ながら、ルロウ・グリーンレーベルリラクシング、エミ・ウェルネスクローゼット、アンディコールなどを導入、感度の引き上げを目指した。これにより、厳しかった全国的な動向と逆に18年秋以降もファッションが引っ張る状況になっている。核店舗を除いて145億円近い年商に至っており、19年3月期も増収を確保する見通しだ。

 ラガールはさらに3、4月にも5店を導入する。同ゾーンでは4分の1程度の規模になり、コスメを含めたファッションや話題性のある食物販などで、鮮度を維持し、前回同様、感度を引き上げる。錦糸町では3月にパルコが開業する。客層が付加されることが期待されており、その取り込みも想定する。

ファッションゾーン「ラガール」のテナント入れ替えを続ける

 錦糸町は、テルミナ、パルコを含めて五つの大型商業施設が並ぶ商業集積地だが、一方で、総武線で新宿に、東京メトロ・半蔵門線で渋谷につながる。さらに隣の押上には東京ソラマチがある。そのため、パルコ開業によって競争環境は変わるが、「まず街に呼び込み、それぞれで分かち合う」(井上浩司常務)ことを重視する。18年にはアプリを使った夏のスタンプラリーや、クリスマスイルミネーションの連携などを実施しており、今後も5館による共同を強める。その上での住み分けとして上質化を目指し、ファッションに続いて食料品などの見直しを検討している。

年間の休館を3日に

 テルミナは19日を、一部テナントを除いて休館日とする。かつては元日のみだったが、17年に8月の休館日を設けており、今回、2月にも加えた。これにより年間の休館日は3日になった。人手不足が深刻なテナントの労働条件改善につなげる狙いで、8月の休館日が好評だったことから増やすことにした。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事