ここ数年、リバー仕立てのコートの需要が高まっている。暖冬傾向の日本では晩秋ごろから真冬の前まで、長く着られるアウターとして人気だ。
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リバーコートとも呼ばれるこのタイプで使われる素材は、ダブルフェイスと呼ばれ、表と裏が異なる色・柄・素材を持つ1枚の織物、編み物を指す。
二重織物・編み物、両面織物・編み物とも言われ、表と裏の二つの組織を作りながら、一部を互いに絡ませる形で製織する。表は無地、裏はチェック柄の生地や、織物が得意な尾州産地では、表はウール、裏はキュプラが出るように織ったスーツ地向け生地などもある。
2種類の異なる生地を接着剤や加熱融解で貼り合わせたボンデッドファブリックも含まれる。
衣服では両面とも着られるようにした「裏返し可能」の意味でも使われる。防寒向けが多く、コートやジャケット、ハット、フォーマルスーツのベストなどがあり、デザインや縫製に特殊な技術、方法が必要とされる。
23~24年秋冬では、ダブルフェイスのカシミヤ、ミンクなど上質素材を使用したコート、ニットトップ、ケープなど、体を暖かく包み込むスタイルが増えている。