メンズ向けに特化した合同生地展示会「トウキョー・ファブ・ギャラリー」が開かれた。初開催で、「予想以上に来場者が訪れ、メンズに限らずレディスの企業にも来てもらえた」と発案者でローカル(東京)の多々良彰吾社長。出展者の既存客が他の出展者と接点を持つきっかけにもなり、商談が進んだ。
ローカルのほか、川越政、コスモテキスタイル、北高、ミナミが出た。東京・表参道のイベントスペース「ランド」を使い、中央に各社の生地や製品見本を掛けたラックを集め、周りを囲むように商談できる場を作った。会場には各社の既存客に加え、新規客が想定よりも訪れたという。他社の既存客との交流も生まれ、「デザイナーの声なども聞けて風通しの良い展示会」(出展者)と好評だった。「レディスアパレルでも、メンズ用途の生地を好む傾向がある」とし、メンズに限らずレディスのバイヤーらも目立った。
兵庫県西脇市と岡山・児島に生産背景があるローカルは二次加工に引き合いがあった。2種のデニムをボンディングしたタイプや生地を重ねて3D効果を出した生地が良かった。最終製品までの提案を強化している川越政は、売れ筋のウォッシャブルウールや、京都の北山杉のおがくずを原料に使用したウール・和紙など「ストーリーで価値を高めた」素材を紹介した。
コスモテキスタイルは、オーガニック綿の強撚糸に特殊加工を施した合繊調など日本の技術が光るテキスタイルを充実。北高は強みのプリントを見せた。各社が布帛を提案する中、唯一ジャージー主力のミナミは、得意の古着から着想を得たテキスタイルを紹介した。マルチボーダーも注目された。
合同展は今後も継続的に東京で開く意向で、大阪での開催も検討する。