東急が5年ぶりに社長交代 堀江新社長「幅広い形態持つ強み生かす」

2023/05/12 16:13 更新


5月12日に会見した高橋社長(左)と新社長に就任する堀江氏(右)

 東急は6月29日付で、5年ぶりの社長交代を実施、堀江正博取締役兼常務執行役員が新社長に就任する。高橋和夫社長は代表取締役副会長に就く。新経営体制で、来期(25年3月期)から新しい中期経営計画を策定し、「さらなる成長」戦略を推進する。堀江氏はリートや海外事業などのほか、リテール事業の経験も豊富で、15年5月から20年3月までリテール事業部長を務め、17年6月から18年3月まで東急モールズデベロップメント社長も兼務した。5月12日の記者会見で、堀江氏は「リテール事業は幅広い取引形態を持つ強みを活用し、それぞれをうまく組み合わせた提案を研ぎ澄ませる」と語った。

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 この時期に社長交代するのは21年度に開始し、今期を最終年度とする現中期経営計画の数値目標が達成できる見通しとなったことに加え、「コロナ禍から脱却でき、(4月14日に開業した)東急歌舞伎町タワーなど大型案件も予定通り実現できた。来期に開始する次の中計の策定プロセスに入る今期が新体制に移行するのが最適」(高橋社長)と判断したため。高橋氏は今後も代表取締役として「SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みなど経営全般に参画」する。堀江氏は主に事業戦略全体の指揮を執る。堀江氏の社長就任によって、同社の代表取締役は現行の2人体制から野本弘文会長を含む3人体制となる。 堀江氏は84年に東急電鉄(現東急)に入り、ハワイでのホテル事業などを経て、リート事業を行う子会社の社長や、TMDのほか、渋谷スクランブルスクエアの社長も務めた。高橋社長は堀江氏を新社長に起用する理由を「事業経験が豊富で、決断力、行動力、先見性、リスク対応力も備えている」とした。

 堀江氏は社長就任にあたり、「幅広い分野での経験を生かす。自ら現場に入って課題を解決するスタイルを続けたい」とした上で、「鉄道、バスの交通インフラと不動産、ホテル、リテールなど様々な事業を展開する他の大手ディベロッパーにない強みを生かし、それぞれの機能を連携させて魅力ある街作りに取り組む」と抱負を語った。リテール事業については、「SC、百貨店、東急ストアなど多岐にわたるお客との接点を持ち、賃貸、委託から自主編集、FCまで様々な取引形態のノウハウを持ち、組み合わせができるのが当社の強み。この強みを生かしていきたい」とした。



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