《視点》メンテナンス需要

2018/06/22 06:24 更新


 寝具業界はメンテナンス企画が定着しつつある。羽毛布団を中心に、購入後の寝具のアフターケアの一環として実施しているが、その背景にはいくつかの理由が考えられる。一つはメーカーや売り場の事情で、冬場や夏場を迎える前の季節需要の端境期に店頭に集客する手法として各社が力を入れてきたこと。羽毛布団の場合、洗浄や足し毛の要望に対応しながら、買い替えや周辺商品の購入に結び付ける取り組みだ。

 もう一つは消費者の志向の変化がある。特に「来店客の約9割が女性」とされ、清潔で衛生的な寝具を求める傾向が強まっているという。布団のメンテナンスが合致し、顧客満足度の向上につながっており、通年の需要へと広がってきた。

 さらに最近は、サステイナビリティー(持続可能性)の視点からも注目されている。「欧州では羽毛布団を親子4代にわたって100年以上使い続けることもある」そうだが、中わたを打ち直して長く使う風習は日本にもあった。

 市場全般に量産・量販が難しい時代になった。長く使える商品や大切に使う提案への支持がいっそう広がりそうだ。

(阿)




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