新型コロナウイルスによる影響が1年を過ぎた。いまだに終息を見通せないが、今までにない大きな環境変化に、改めて自社や今後の戦略を見つめ直す機会にもなっているようだ。
リアル店では外出自粛や感染予防などで客数が減少したこの機会に、あいさつや笑顔、言葉使いなどのCS(顧客満足)、スタイリング提案強化などを再徹底するショップも。休日増など働き方改革に着手し、安心して働ける環境作りに取り組む動きも見られる。
不必要なものは買わない傾向がより強まり、個性を求める流れに対し、アパレルメーカーはオリジナル性の追求や市場ニーズに応える企画などを徹底。また、適時適材の企画や生産体制の構築で、在庫削減や環境にも配慮した取り組みを行い、セールに頼らない正価販売重視を考える企業も増えている。セールや商品ロスを盛り込まないことは同じ商品でも価格が抑えられることにつながる。消費者にとってもよいことだ。
これまでもCSや正価販売強化、働き方などをおろそかにしていたわけではない。だが、当然実施した方がよい当たり前のことを当たり前に続けていくことは簡単ではない。目先にとらわれずに、継続していくことで業界も変わっていくと期待したい。
(伸)