《視点》使いこなせるか

2025/03/19 06:23 更新


 OMO(オンラインとオフラインの融合)のシステムが各社で整いつつある。今後は実際に現場でどう活用できるかが成果を左右する。販売員が納得し、使いこなせなければ、価値を十分に引き出せない。

 システム整備にいち早く着手し、既に一定の成果を上げている企業を取材した。予想外にも、まだ十分に使いこなせているとは言えないと話していた。実際にシステムを使うのはあくまで現場。真摯(しんし)に耳を傾け、納得の上で進めていく必要があるという。

 OMOが進むにつれ、販売員の役割は広がり、業務の負担も増えている。複数ブランドの対応や、ECと連携した接客など、これまでとは異なるスキルが求められる。一方で、こうした取り組みを適切に評価する仕組みが難しいという課題もある。今後、評価の仕組みを整えることもOMOを定着させる上で、重要になる。

 システムの整備が進むほど、現場の理解と実践が重要だ。店頭でのデータ活用などは今後さらに進むだろう。販売員の経験や接客力と組み合わせ、現場に根付かせていく工夫が求められる。リアルとECが共存する販売の形を作るためにも、現場の視点を大切にした取り組みが欠かせない。

(平)



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