実需時代を勝ち抜く(下) 消費を刺激する仕掛け

2018/08/13 06:25 更新


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 トレンドに敏感なヤング層を対象にした商業施設やブランドも、声を揃えて「今は実需」という。実需消費では気温の影響も受けやすいが、シーズン進行は企業の思い通りにはいかない。「今年はビッグトレンドがない」という指摘もある。消費を刺激するには、服を買いたくなるきっかけを自ら仕掛ける上での鮮度やスピード感がこれまで以上に重要になっている。

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◆動機を作る

 新宿で最新のトレンドを発信しているルミネエストでも、「今の消費者は本当にジャストニーズ。明日着られて、長く着られる服が売れる」とみている。そんななかでも去年の焼き増しではなく、「常に新しい提案をスピーディーに行っているテナントが好調。一方で隣の店が売れた商品だから自分たちも、というブランドは厳しい」という。

 ナイスクラップは、「黙っていても売れない。鮮度のあるテーマを頻度高く打ち出し、人工的に売り上げのヤマを作る必要がある」と強調する。独自のカレンダーで計画的にいつ何を仕掛けるかを組み立て、「ワンアフターアナザー・ナイスクラップ」では協業商品や水着を次々と打ち出し店頭の見え方をスピーディーに変えている。

 新たなモチベーションを作るため、水着やゆかた、パーティードレスなどSNS映えもする非日常シーンのための商品を強化する企業も増えている。ストライプインターナショナルは、グループでゆかたを販売し始めて今年で3年目。前もってSNSなどで販促した上で、実売期の店頭の集客につなげる。非日常の提案でセール色が強まる夏場を活性化する狙いもある。

 実需で動く消費者が増えると、売れ筋がこれまで以上に見えづらくなる。ECの予約販売を需要予測に役立てるケースもあるものの、仕掛けて外すリスクに対してはより慎重にならざるをえない。

 そんななか、ヤング~大人向けブランドを扱うアルページュはこの間、セールを縮小しプロパー商品を早期に立ち上げてきた。ブランドらしさを追求してファンを増やし、気温にかかわらず買いたくなる商品を作っていきたいという。

ゆかたや水着による新しいモチベーションも注目(ストライプインターナショナルの18年新作ゆかた)

◆当たり前磨く

 各社への取材では、実需の消費者が多いということに加えて「中途半端な商品、ブランドは売れない」という意見も多く聞かれた。業績が厳しい時は、つい他社の売れ筋に影響されてブランドに必要のない商品が増えてしまい本来の強みもぼやけてしまう。

 逆に順調なブランドは、自分たちが何をやりたいのかが明確だ。その差はここ数年でますますはっきりしてきた。ブランドらしい商品が、消費者が欲しい時にきちんと店頭に並ぶよう、〝当たり前〟を磨く取り組みは今後も続く。


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