アリス+オリビアがビートルズとコラボしたカプセルコレクション「alice + olivia x The Beatles」の発売イベントを、ミートパッキング地区のイベント会場で開催した。ココ・ロシャ、メアリー・ジェイ・ブライジなどのセレブが来場し、若い女性たちであふれた。
ビートルズがアメリカで初めてツアーをしたのは1964年だった。今年は60周年記念のため、それにちなんで17点の限定販売商品をつくったのである。
ブランディング戦略の観点から参考になる演出が多く見られたことが、非常に印象的だった。会場の至る所にビートルズにちなんだビジュアルが飾られ、フォトブースになっていた。
フードとドリンクも豊富!The Beatlesの文字の入ったパン、 L♡VEのパン、ピースマーク型のプリッツェルが楽しい。ストロベリーフィールズと名付けられたイチゴ味のカクテルはハート型にスライスしたイチゴがついていて、見た目可愛く味もおいしかった。
コミューナルテーブルでは、ビーズのアクセサリーをつくる参加者が自然に集まった。ヘナタトゥー、ヘアメイクをやってもらえるコーナーもあるし、クレーンゲームに興じる人たちもいた。スポンサーになっているヘアアイロンのメーカーのインスタグラムをフォローし、その場でイベントについてのコメントを書き込むと、カールアイロンかストレートアイロンをもらえたのは嬉しいサービスだ。ヘアメイクのコーナーで、そのメーカーのアイロンで巻いてもらったりストレートにしてもらったりすることも可能だった。
後半は、スカウト・ウィリスによるライブ。スカウト・ウィリスはブルース・ウィリスとデミ・ムーアの娘だ。スカウト・ウィリスは挨拶の中で、「彼女が最初に私を見つけてくれたの!」と、ステイシー・ベンデットに感謝を表明した。ウィリスが歌っている最中、ベンデットは観客に交じって写真を撮っていた。
でも一番感じ入ったのは、ベンデットが「私たちは今とてもつらい状況にいるけれど、こうして女性たちが集まって、、、」とあいさつした時だ。このイベントが行われたのは、大統領選挙投票日のちょうど1週間後だった。
女性蔑視を厭わない人物が新大統領になった直後、Xに「Your body, My Choice, forever」などと書き込む男がいて、不安と恐怖を抱えている女性たちは少なくない。
そんな状況の中で、多くの女性たちが集まるこのようなイベントが行われたのだ。偶然だったのだろうけれど、結果的に実に良いタイミングだったと思った。なぜなら、女性たちに「安全地帯」を提供できたからである。
女性を相手にするブランドは今後、ブランド戦略や顧客とのエンゲージメントを考える時、女性が安心・安全と感じられるコミュニティーを提供すること。それは、特に今のアメリカにおけるファンづくりに効果的ではないだろうか。
89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ)