よしむらしるくすくりーん(京都府井手町、吉村大代表取締役)は、オリジナルTシャツブランド「Rashiku(ラシク)1981」を本格販売する。シルクスクリーンプリントで培ってきたアメカジテイストの表現力と、きものや風呂敷に代表される日本の伝統柄を組み合わせた「和メカジ」市場の創出を目指す。
88年に吉村社長の父親が創業した。京都の工場には、先代が機械メーカーと共同開発した珍しい18テーブルの多色大型自動プリンターなどを持つ。長年、OEM(相手先ブランドによる生産)で事業を続けてきたが、安価な海外品の増加やインクジェット機の台頭などで近年は苦戦。スクリーンプリントの持つ良さと、国産の価格・価値を理解してもらえる受注先と取り組んでいく。
OEMとは別に、スクリーンプリントの良さを知ってもらおうと、親子連れなどが集まる様々なイベント、プロバスケットボールの試合会場などでのプリント体験イベントにも積極的に取り組んできた。28日には「奈良キッズコレクション」に参加するほか、夏にはバラエティー雑貨専門店チェーンでのイベントも予定している。
ラシク1981は、この冬に東京で開かれた中堅スポーツ系メーカーの有志5社の合同展「2019スポーツイノベーションミーティング&エグジビション」でデビュー。上質なボディーを使い、1万円前後となるため、デザインをブラッシュアップし続けている。京都の和装関連企業などと協業しながら、さらにデザイン性を高めていく考えだ。百貨店などでの期間限定販売も検討する。
ラシク1981をトップゾーンとし、オフィスカジュアルに近いゾーン向けには、サブブランド「ラシクスタイル」を打ち出す。企業のカジュアルフライデー向けで、具体的な案件が進む。Vネックの本藍染めTシャツなど、オフィス環境に適したシックなデザインを企画する予定だ。