「ユウタセトガワ」25年秋冬 デッドストック生地に手作業を加えた12着限定コート

2025/04/30 11:00 更新NEW!


 瀬戸川裕太氏が手掛けるユニセックスブランド「ユウタセトガワ」は25年秋冬、サステイナブルな生地を使いテーラーリングの強みを生かしたメインラインのほか、ブランドの入り口となるような新ライン、ニットブランドとの協業品などで卸先の開拓を目指す。

(大竹清臣)

映画、絵画から着想

 同ブランドは20年に立ち上げ、23年からユニセックスラインをスタートした。25年秋冬は映画『フォレスト・ガンプ』や、ベルナール・ビュッフェの絵画『椿と薔薇』から着想を得た商品を提案する。ダメージのある生地や欧州生地メーカーのデッドストックをアップサイクル目的で使用したため、販売数量が限られる。

 デッドストックの先染めコットンギャバジンやコシのあるコットンピケでは、現代的にアップデートしたドクターコート(税抜き7万8000円)を作った。手作業で加工した本革ボタンを使用している。ドクターコートの前身頃を飾るプリントは、ビュッフェの絵画を瀬戸川氏が模写した線画をベースに版を製作し、フォレスト・ガンプで主人公が履き注目された「コルテッツ」のカラーで彩った。バックプリントは、ブランドヒストリーの版を制作した。手作業でのシルクスクリーンプリントや加工のため、一点一点風合いが異なる。ナンバリングタグ付きで12着限定で販売する。12万円。

限定12着販売のドクターコート

 テーラーリングがベースのオーバーショルダーのマキシタイロッケンコート(24万円)は、昨今のコート離れへのアンチテーゼとして提案した。アップサイクルを意識し、柔らかいが重厚感のあるウール100%メルトンを使った。共地のパンツ(7万8000円)では前シーズンから取り組んでいる〝動作を衣服へ記憶させる〟をコンセプトにした4次元的なアプローチでデザインした。フォレスト・ガンプの主人公が懸命に走る様と中腰でばてる様をイメージし、袴をベースにしたワイドシルエットにした。

ウールメルトンを使ったオーバーショルダーのマキシタイロッケンコート

同拠点のブランドと

 新たに提案するのは「ユニフォームライン」。自身のアイデンティティーをライトにアウトプットすることをコンセプトにした。スタッフやデザイナー自身がひと手間加えることに価値を見いだす。ドクターコートと同様にシルクスクリーンプリントを施したハーフジップの裏毛スウェットシャツ(1万2000円)や、売れ残った大きいサイズをはきやすいシルエットに再構築したデニムパンツ(5万円)などが揃う。

ウールメルトンを使ったオーバーショルダーのマキシタイロッケンコート

 協業したのは瀬戸川氏と同じ起業支援拠点のイデタチ東京に入居するニットブランド「リンラン」。ハンドメイドのフーディーが付いた大ぶりなマフラー(4万8000円)は、裏面も表情がありリバーシブル。ニットベストもある。

ニットブランド「リンラン」と協業したマフラー


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