「センケンファッショングッズ」特集は年2回、6月・12月に発行。
シューズ、バッグ、アクセサリー、帽子などの洋 品小物、メンズ関連グッズのトレンド、市場動向・今後の見通しをアイテムごとに記事で取り上げながら、タイアップ企画で各企業の新ブランド、新商品・定番品へのこだわりを紹介します。
目の肥えた30~40代キャリア女性に支持
バッグ、シューズで、ネクストコンテンポラリーと言える、ブリッジゾーンへの注目が高まっている。ラグジュアリーと、モデレートゾーンのブランドをつなぐ価格帯。目の肥えた30~40代のキャリア女性が納得するクオリティで、トレンドを取り入れながらも、オン、オフ両用できるシンプルなデザインが多い。かつては「一番難しい」とされていた価格帯のため、現在の対象ブランドは限られるが、今後市場が広がる可能性がある。
東京発デザイナーブランド
レディスシューズのブリッジゾーンでは、東京発のデザイナーブランドが成長中だ。国産でパンプスが2万円台後半、ショートブーツが3万円台から4万円台、職人との物作りに改良を重ね、インポート感覚のデザインが揃ってきたことが人気の要因。インポートでも、「ペリーコ」をはじめ一部ブランドが台頭しているが、多くは円安基調の為替水準では付加価値が消費者に受け入れられにくくなっている。また、「海外見本市で今秋冬トレンドに大きな変化がなかった」と見るバイヤーは多く、感度の高い国内ブランドに仕入れ枠を移す傾向が目立っている。
国内生産による品質と納期の確かさも強みだ。「セール前の6月下旬の秋の立ち上げに間に合わせたい注文が増えた」というのはセレクトショップ向けで実績を伸ばす「ペレテルノ」。この数年、欧米の見本市に出展し続ける「マナ」も、6月末の初回納品は定着。2月に秋冬プレ展を開いた「ピッピシック」も新作のストレッチブーツの受注が好調だった。インバウンド需要にも応える日本製、機を見るに敏なデザイナーブランドとの取り組みを深めることで、ブリッジゾーンは活性化していきそうだ。
10万円以下のバッグを強化
「5万~10万円のコンテンポラリーなバッグブランドは、15~16年秋冬に向けての強化ゾーン」と話すのは、高橋和也三越伊勢丹婦人雑貨統括部婦人雑貨第一商品部ハンドバッグ・財布バイヤー。これまで同ゾーンに入っていたインポートブランドが、円安を背景にした値上げにより10万円以下の商品が激減してしまった。ただ、必要性を感じるものの、なかなかブランドが少ないのが難点だ。「下のゾーンのバッグを引き上げても、顧客が付いて来れずに離れてしまう。上のクラスのブランドに、エントリーとなる価格のアイテムを出して頂くのが、現実的かもしれない」とし、交渉を進めている。
西武池袋本店では、「ブリッジ、コンテンポラリーとなるのは3万~5万円とし、「働く女性に必要なアイテムとして、秋冬に向けて提案の仕方を考えたい」(小山育美そごう・西武商品部婦人雑貨部バイヤー)とする。導入を検討中なのが、セレクトショップで販路を広げる東京ブランドや、レザートートなどシンプルなデザインが人気のインポートブランドなどだ。
東京ブランドで15~16年秋冬、このゾーンにマッチするブランドもデビューする。「アルバス」は、バッグブランド「ポティオール」の中谷美香が新たに手がける。日本生産でレザー製、シンプルながら立体感のあるフォルムや機能性にこだわった。5万円台が中心。営業代行を行うショールームセッションの上杉文弥社長は、「新しい価値を認知してもらうには、少し時間はかかるが、モノが良ければ着実に浸透する」と期待をかける。
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