今秋冬のレディスダウンコートは、昨年まで売れ筋として引きずって作られていたポリエステルタフタのベーシックダウンが姿を消し、全体では減産傾向が目立つ。しかし新たに提案されている商品は、素材やデザインのバリエーションが広がり、新鮮さが増しているのが特徴だ。ウール、起毛素材など表面感を変化させたほか、シルエットやディテールの工夫、プリントなど柄物の提案、上品なエレガンスなどがポイントだ。
「ポール・スチュアート」(三陽商会)は業界でも珍しく初めての国産ダウンを企画、販売する。カジュアルにもエレガントにも着こなせるデザインだ。
ポリエステルのハリ感のあるグログラン生地を使い、撥水加工、裏シレーを施した。後ろ身頃は羽毛の袋を二重にしたダブルチューブ構造で高い保温性を備え、ベンチレーション付き。
内側はダイヤ柄キルト、袖口の中はリブ仕様、ポケットの中は発熱効果のあるヒートウォームフリース。フードにはコヨーテファーを使った。ウエストと裾はドローストリングで調整できる。南極観測隊用のダウンを作っている工場で生産した。15万円。
「イネド」(フランドル)が提案するのはプリントダッフルダウン。光沢を抑えたナイロン混ストレッチ素材は、ブークレ調の毛羽感がある。クラシックなチェックを、精密な技術による転写プリントでモダンに表現した。撥水加工も加えた。色は赤系と黒系。8万9000円。
続きは繊研新聞で=お申込はこちら