オンワード樫山は「23区ゴルフ」で、月別MDと国産素材にこだわった物作りを進める。契約するプロゴルファーのコーディネートと連動した店頭展開や販促イベントも強化し、消費者の関心を喚起する。コンペイベントも継続開催し、顧客満足度の向上に役立てる。一連の施策により、プロパーでの販売比率を引き上げる。
15年春夏物から月別MDを強化している。これまで新商品の投入はおよそ2カ月に一度だったが、頻度を高めることで売り場の鮮度を保つ。デザインも一新した。従来は「シンプル、ワンポイント、日常使い」といったイメージが強かったが、今春夏はアニマルやバティック、折り紙、マドラスチェックといった特徴ある柄を採用し、ゴルフ場で楽しめるデザインとした。
差別化のため、国産素材を使った商品を「ジャパンファブリック」としてシリーズ化する取り組みも始めた。ポリエステル100%ながら綿のような風合いと鮮やかな色使いが可能な「フィールフィット」(東レ)を使ったポロシャツ(無地1万3000円、柄物1万6000円)や、ふくらみ感がある和歌山産鹿の子を使ったポロシャツ(1万5000円)など、今春夏には6素材・22品番を出す。
販促では昨年契約した成田美寿々プロや菊地絵理香プロを中心に連動を強める。キャディーバッグなどプロが使用するものと同じ商品を売り場で扱ったり、週末の試合で着用するウエアをスタイリストが指定し、同じコーディネートを店頭でも打ち出すといった仕掛けをしている。
顧客向けイベントでは百貨店でのトークショーのほか、14年からゴルフコンペ「23区ゴルフカップ」も始めた。ブランドの新作ウエア着用を条件とした企画で、昨年は東京、大阪、福岡など6都市で延べ10大会を開催、計472人が参加した。お客同士の交流やブランドスタッフとのコミュニケーションを図り、顧客満足度を高めるのが目的で、好評のため今年は参加者が昨年の倍以上になる見込みだ。
同ブランドは「23区」の派生ブランドとして、96年に「23区スポーツ」名で誕生。よりゴルフに特化したブランドであることを打ち出すため、14年秋に名称を23区ゴルフに変更した。百貨店内に店舗を構え、ショップ数は77(14年末)。