ストライプインターナショナルの石川康晴社長が理事長を務める公益財団法人石川文化振興財団は二つの宿泊施設を岡山市に作り、7日から宿泊を開始した。世界的に活躍する現代美術アーティストと日本人建築家がタッグを組み、岡山市内の歴史文化ゾーンやその周辺に、宿泊施設を作る「A&A」プロジェクトの第1弾だ。
A&Aは、〝作品〟に泊まりながらアートを体験できる。岡山では、9月27日から石川氏が総合プロデューサーとして関わる国際現代美術展「岡山芸術交流」が市内で開催されるなど、アート関連の発信も増えている。宿泊施設を作ることで、外国人を含む観光客に対して滞在地としての魅力を高める。施設は今後20年をかけて増やしていく。ディレクターをギャラリストの那須太郎氏、アドバイザーを建築家の青木淳氏、プロデューサーを石川氏が務める。
建物はすべて1棟建てのプライベートタイプというぜいたくな空間だ。岡山市北区天神町の「A&Aリアムフジ」は、米ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、リアム・ギリック氏と、日本の建築設計事務所マウントフジアーキテクツスタジオによるもの。岡山産の巨大なヒノキ集成材CLTを田の字に組んだフレームをメインに、これをずらしながら3段積むことで立体的で複雑な空間にした。2階建てで宿泊人数は最大4人。
北区出石町の「A&Aジョナサンハセガワ」は、アーティストのジョナサン・モンク氏と長谷川豪建築設計事務所が手掛けた。岡山の〝まちに泊まる〟イメージで、浴室からは日本三大庭園の後楽園を臨む。かつて敷地内にあった二つの建物を再現し、その間に新しい建物を一つ挿入した構成にした。2階建てで宿泊人数は最大6人。
1泊7万7000~16万5000円(税抜き、サービス料込み)。専用サイトで予約を受け付ける。