オールフォーワン(柏市) 地元富山の魅力伝える2店

2017/09/06 04:29 更新


富山の伝統工芸と和のスタイルをミックスしたツギキ

 「自分が生まれ育った富山県の自然や文化などの魅力を伝えたい」との思いで、アウトドアカジュアルブランドから独立。15年6月にオールフォーワン(東京、電話03・5832・9313)を立ち上げた木原彰夫代表は、伝統工芸と和を融合したショップ「ツギキ」を同年11月に東京・千駄木に開設し、じわじわとファンを増やしている。今春には千葉県柏市にアウトドアとDIY(日曜大工)の「ツギキ・ザ・ウェアハウス」をオープンし、二つの拠点から多角的な活動を発信する。(大竹清臣)

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■丁寧な対面販売を

 木原代表は地方創生プロデュースをはじめ、自身のブランド運営、合同展の主催など活動の場を広げている。地方創生では、里帰りした時の富山県高岡市の伝統工芸士との出会いが大きかった。伝統工芸士の技を活用し、アウトドアグッズブランド「アルチザン933」を立ち上げた。

 第1弾で、銅や真鍮(しんちゅう)などへの着色技術で美しく仕上げた、キャンプで使うシェラカップを開発。自店で販売するとともにECでも扱う。

 「伝統工芸などローカルビジネスに関わる場合、サンプル作成など先行投資するリスクを背負う覚悟が必要」と、木原代表はデザインなどのアドバイスだけでなく、ブランディング、流通経路など〝出口戦略〟まで責任を持つ。そのほか、南砺市で街のプロデュースにもかかわっている。


地方創生プロデュースをはじめ、自身のブランド運営、合同展の主催など活動の場を広げる木原代表

 ツギキには、富山の工芸品をはじめ、棚やたんすなど古道具、陶芸家である木原代表の父親が作る器なども揃える。そのほか、同社のオリジナルブランドで藍染やインディゴ染めによる衣料・小物の「アイ」や、ポケットTシャツ中心の「シュガーグライダー」も販売する。

 同店の客層は、下町散策が好きで歴史や文化に関心のある女性が6割を占める。伝統工芸品は置いておくだけで売れるものではないため、丁寧な対面販売できちんと伝えることが大事という。

■気軽に集える場に

 ツギキ・ザ・ウェアハウスはアメリカのガレージをイメージしたキャンプグッズと古道具をミックスした店。同社オリジナルのシュガーグライダーのほか、セールス業務とブランディング支援している米バッグ「クローム」なども販売する。同店がある柏市近郊にもバーベキューやキャンプ場がたくさんあり、「ファミリー層もふらっと来店してほしい」という。

 内装は木原代表と仲間たちでの手作り。店内にDIYスペースも設けており、インテリア製作などを希望する利用者は電動工具など専門的なツールも使い放題だ。「地元の人たちが気軽に集える場にしたい」という。


アウトドアとDIYのツギキ・ザ・ウェアハウス


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