キャッシュレスが進む中、米国の一部の自治体でキャッシュレスに「待った」をかける動きが出てきている。アマゾンもその動きを無視できなくなり、アマゾンの広報担当者は、キャッシュレス決済を売り物にしていた「アマゾン・ゴー」で、現金決済を受け付ける準備を始めたことを認めた。
米国には、銀行口座やキャッシュカード、スマートフォンを持つことができない人たちがいる。キャッシュレス決済は、そういう経済的弱者をないがしろにするという批判が出てきている。多様性を重んじる風潮が広がるなか、キャッシュレス決済はその風潮に逆行するといえるだろう。
ペンシルベニア州フィラデルフィアは全米で初めて、3月初めに現金支払いを受け付けない店を禁止する条例を可決した。続いてニュージャージー州でも小売店や飲食店が現金支払いを拒否することを禁じる法案が可決された。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)