静岡・三島「アナログ」(アナログユニオン)加藤正親代表
中古織機入れブラン開発へ
静岡県三島市の路面専門店「アナログ」(アナログユニオン、電話055・981・6288)は今秋、店舗隣のスペースに中古織機を導入し、素材からオリジナルのブランド開発に着手する。店の立ち上げから16年、男の生き様と独自性あるデザインの商品でファンをつかんできた。思いやストーリーを込めた商品作りを強め、国内外に発信する。
「ブランドの構築、SPA(製造小売業)型モデルの基礎作りという、今までにない大がかりな挑戦をやっていきたい」と加藤正親社長。オリジナルは既に「アナログアンダーグラウンド」を展開しており、店での構成比は6割になっているが、生地からオリジナルというわけではない。
「温泉街に行くと、温泉まんじゅう屋がたくさんある。しかし買う店は結局一つ。服も店も同じで、生き残るには、それを目掛けて買いに来てくれる店にならないといけない。それには自分たちの思い・背景・ストーリーが詰まったものが必要」という例え話はユニークだが、そこにはオリジナリティーへの強い意志がこもっている。
織機はまだ届いていないが、生地作りの基本は学んだ。様々な色の糸を使った独自性の高い生地を開発していく。個店が織機を持って、自ら作りたい色柄で製品を作る。ストーリーは明快だが、初めからうまくいくとも思っていない。「始まりは下手でいい。むしろ、自分たちが何をやっているかを発信し、知ってもらうことが大切。事業で新しいことに挑めば、資金も人員が必要。まずは継続できるように仕組み化したい」と言う。
製品は地場のアパレル製造と組んでシャツやジャケットを作る。既存のオリジナルとは異なるブランド名を考え、国内外で販売をめざす。生地卸も考えている。