「いきなり真夏のような厳しい暑さになる。最大限の熱中症対策が必要」。注意を呼びかけたのは気象情報を提供するウェザーニューズ。梅雨明け前から30度以上の真夏日や、35度以上の猛暑日となり、危険な暑さに見舞われている。熱中症の発症リスクが高まるなか、6月1日に厚生労働省は労働安全衛生規則の一部を改正する省令を施行し、企業には熱中症対策が罰則付きで義務付けられた。熱中症は人の命に関わる重大な社会課題という認識が世の中に広がりつつある。
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死傷者数が増加基調
近年は酷暑化する夏季はもちろん、暑い時期が長期化して暑熱リスクが高まっている。熱中症のリスクは誰にでも潜む。なかでも子供は体温調節機能が十分に発達しておらず、高齢者は感覚機能や体温調節機能が低下しているとされ、特に注意が必要と言われている。また、障害を持つ人たちは自ら症状を訴えられない場合もあり、配慮するよう求められている。
厚労省によると、職場での熱中症による死傷者数が増加基調にある。それだけに企業には熱中症を防ぐための備えが安全衛生の観点できわめて重要になっている。とりわけ高齢になるほど、発症の割合が高い。