繊維評価技術協議会(繊技協)は4月1日から、SEKマークで、抗ウイルス加工マークの認証を開始する。試験方法、評価基準の統一による消費者保護と抗ウイルス加工の浸透が目的で、5月後半に第1弾が認証される見込み。繊維メーカーや加工剤メーカー、試験機関等32社による委員会でマークの運用状況の把握と検証を進め、普及させる。
抗ウイルス加工は、繊維製品に付着したウイルスの数を減少させ、繊維製品によるウイルス伝播を弱める機能加工で、マスクやユニフォーム、寝装など幅広い分野に使われている。ノロウイルスやインフルエンザの流行から需要が高まる一方、機能性の評価は各社独自の試験方法と基準に基づいており、消費者や流通における不利益が指摘されていた。
抗ウイルス加工マーク認証では、ISO(国際標準化機構)規格「繊維製品の抗ウイルス性試験方法」に準拠して、試験方法、評価基準を統一した。試験対象ウイルスはインフルエンザウイルスとネコカリシウイルスを使用。評価は、付着2時間後にウイルス数が1000分の1以下に減少して〝十分な効果〟とされる抗ウイルス活性値3.0以上を基準とする。
認証製品には十字のSEKマークに加え、抗ウイルス機能の範囲や試験方法などを記した注意表示の付与も義務付けられる。試験方法など情報は繊技協ホームページで公開されるほか、製品表示の規格化によって、消費者に機能性や安心・安全性を分かりやすく訴求できる。カタログやチラシ掲載にあたり、事前に事務局に届け出る必要があるため、優良誤認を防ぐ効果も見込む。
SKEマークは繊技協が認証する機能加工製品の認証マーク。機能性に加え、加工剤や製品の安全性も判断基準となる。使用された加工剤は消費者に公開され、認証後も毎年試買テストや訪問検査などで品質維持をチェックされる。抗ウイルス加工マークは、抗菌防臭加工や消臭加工などに続き、9番目のSEKマークとなる。