社団法人全日本アーティストグッズ協会 ピスネームでアーティストを支援

2021/06/28 06:25 更新


 アーティストグッズに新たな付加価値を生み出すことを方針に掲げる、社団法人全日本アーティストグッズ協会(林伸將理事長)はこのほど、グッズ購入で未来のアーティストを支援するプロジェクト「エイド・フォー・フューチャー・アーティスツ」を開始した。

(森田雄也)

 同プロジェクトは専用のピスネームをアーティストグッズを扱う音楽企業やレーベル、ミュージシャン、イラストレーター、芸術家や漫画家などに向けて販売するもの。そのピスネームをTシャツやタオル、バッグなど製作するグッズに縫いつければ、アーティストを支援している意志表明となる流れだ。

 ピスネームは1枚50円で、そのうち20%をアーティストが抱える課題解決のための原資として活用していく。

 支援内容は現在大きく二つを検討中。一つはエアコンのふたとフィルターの隙間に置くだけで、循環空気を浄化し、ウイルス除菌を行うエアマットを全国のライブハウスに提供すること。もう一つが、コロナ禍で活動が停滞しているインディーズバンドにネット上でオーディションの場を設けて、メジャーデビューの機会作りを行うことだ。

 ピスネームのデザインは今年3月から約2カ月間全国で公募。グラフィックデザイナーや若手アーティスト、学生などから計545点が集まった。採用したのはプロジェクトのアルファベット頭文字「A・F・F・A」と上に向かって続いていく矢印をモチーフに、アーティストをつなぐ未来を表現したグラフィックデザイナー、長田昂大さんの作品だ。

ピスネームはTシャツやタオルといったグッズとの相性が良いと見ている

 ピスネームの裏には、同協会のホームページにジャンプするQRコードをプリントしている。読み取れば賛同アーティスト名や活動報告を確認することが出来る。

 ピスネームは既に国内で生産に入っており、年間販売枚数1000万枚、売上高5億円(うち支援金1億円)を目標に掲げる。現在、大手アーティストにアンバサダーの声掛けをしており、今後営業活動を通じて拡大していく。

 同協会は15年に設立。コンサートグッズOEM(相手先ブランドによる生産)を主力とする将矢(岐阜市)の林伸將社長が知人を通じて、インディーズバンドが資金面でライブを開くだけでも苦労しているのを知ったことから、何かサポートを出来ないかと一念発起し、立ち上げた。

 ピスネームは今後、音楽や絵画、グラフィックなど芸術活動となじみが深い、ファッション業界で、趣旨に賛同してくれる企業や団体、個人にも販売していく方針だ。

「サステイナブル(持続可能)な活動としてじっくりと取り組んでいきたい」と話す林理事長


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