イーバス(山本敦代表)はメンズ革小物ブランド「アツシ・ヤマモト」を立ち上げてから3年を経過し、型数を増やし、アイテムも拡大したことで卸し先も広がった。卸し先の百貨店を中心としたカラーオーダー受注会などで地道にリピーターを増やしている。
(大竹清臣)
山本代表は老舗メーカーから独立し、革の染色から裁断、縫製までを一人でこなせる。職人であるだけでなく、自身でデザインも手掛ける。ブランドスタート直後から2年前までは、伊勢丹新宿本店メンズ館だけで販売していたが、現在、百貨店を中心に16店まで卸し先が広がった。今秋冬には新規取り扱いが3、4店増える見込みだ。
同ブランドは昔からある「はけ染め」という技法を使った、中間色からビビッドな色までカラフルな配色が特徴の革小物。以前は1シリーズ5型だけだったが、今春夏は14型に拡大した。秋から二つ目のシリーズがスタートする。新シリーズは女性客の声を反映しラウンドファスナーの長財布と小銭入れ付き長財布など機能を充実したデザインにする。素材はブランドアイコンのはけ染めをガラス加工し、艶を出した革を使う。ブランドの認知度を高めるため、当面ははけ染めの訴求を続ける。
革小物以外には、はけ染めレザーを使ったカラフルなベルトやバッグなども開発し、生産体制を整え、秋冬物から販売を開始する。なお、今年4月からスタートした自社ECサイトでは、トライアル商品や限定企画などを充実する予定。
受注会ではカラフルな配色が店頭でのアイキャッチとなり、百貨店メンズフロアでの開催にもかかわらず、女性客からの人気が高い。ギフトシーズンにはユニセックスなシューホーンが人気だ。11色から革を選べ、ネジを留めるだけで完成するので、その場で渡せ、7000円という手頃な価格設定も受けている。また、革の良さを知ってもらうワークショップも店頭で開催している。ヌメ革一枚を折り畳んでボタンで留めるだけの財布やペン立てなどが好評だ。
カラフルなはけ染めレザーの新シリーズのほか、ベルトやバッグも企画