情報システム開発のアベイル(横浜市)は、3Dデータ圧縮・ホスティングサービス「karumi」(カルミ)の提供を始めた。重い3Dデータを圧縮し、ウェブブラウザー上で簡単に見られるようにするクラウドサービスだ。アパレル業界での3Dデータの積極活用を提案する。
カルミは、3Dデータを簡単に圧縮できるアプリ「カル」と、データをサーバーに保存しインターネット経由で表示するアプリ「ミ」で構成し、クラウドで提供する。重いデータをアップロードする必要がなく、圧縮後の画質に大きな遜色がないことが特徴だ。
「カル」は、ブラウザーでURLにアクセスするだけで利用できる。ロー・ミドル・ハイの3モードを選び、簡単に圧縮できる。細かい調整も可能で、表面のメッシュ(凹凸情報)とテクスチャー、それぞれを圧縮することもできる。GLTFとGLB、二つのデータ形式に対応する。
「ミ」では、商品を着せ付けるアバターを選べ(性別・身長・体形)、サイズや色柄の選択も容易だ。デバイスに合わせて最適化され、スマートフォンでもアプリ無しでストレスなく3D画像を見られる。
カルミは、エプソンと進める無在庫オンデマンド生産のプロジェクトを機に開発された。先行事例となった三陽商会の「エコアルフ」では、店頭でiPadを操作し、アベイルが提供する3Dソリューション「ブラウズウェア」で作成した3Dサンプルを拡大したり回転させて確認できる。データを10分の1以下に圧縮しても画質の違いはほとんど分からない。圧縮も容易で手作業に比べて大幅に作業時間を削減できる。
3Dデータが大きく扱いづらいことがネックで、アパレル業界ではECをはじめ、3Dデータの本格的な活用には至っていない。「利便性が高まれば活用は広がる」と低料金で利用できるツールを自社開発した。カルミは初期費用10万円、月額利用料10万円(10GBまで)。カルのみのプランもあり月額利用料5万円(保守含まず)。