忙しく働く女性にとって、すぐに着られ、コーディネートが簡単なワンピースは強い味方。そんなブランドを立ち上げたい――金融業界で働いてきたキャリアウーマンであり、現在は1児の母としても忙しい日々を送る渡部雪絵さんは今年8月、ワンピースブランド「アユワストーリー」を企画・販売するドレスプレス(電話03・6324・4236)を設立。来年2月下旬の本格デビューに向けて準備を進めている。
出産を機に会社を辞め、子育てをしながら事業の構想を練っていた渡部さん。「自分が本当に好きなものは何だろう」と突き詰めて考え、たどり着いたのがワンピースだった。
作りたいのは、華やかで信頼感が得られ、その人らしさが表現できるワンピース。動きやすさも重要なポイントと考え、素材はニットをメーンに使う。
起業家向けイメージコンサルタント吉村直子さんが、デザインなどのアドバイザーとして参加している。吉村さんは「目指すブランドを確立するには、創業者は憧れられる存在になるべき」と、渡部さんのファッションや髪型などのキャラクター戦略もサポートしている。
販路は当初、オンラインを中心にするつもりだったが、「対面でブランドのストーリーを伝えたい」と、同社が運営する東京・白金高輪のレンタルスペースに予約制のサロンを開くことも決めた。来年2月にブランドサイトをオープンし、4~5月頃に展示会を予定している。今後、ワンピースとコーディネートできるベルトなどの小物も揃えていく。
子供を持つ母として、売り上げの5%を子供を支援する団体に寄付する仕組み作りも進めている。さらに、女性が働き続ける社会の実現のため、女子大学生・院生の実務型のインターンも受け入れている。「いろいろと欲張りだとは思いますが、それぞれの活動を研ぎ澄ませたい」と、自分の思い描くブランド実現のため、意欲的に準備を進めている。
同社サイトはhttp://dresspress-inc.com。立ち上げの資金を、朝日新聞社のクラウドファンディング「エーポート」で募っている(16年1月29日まで)。
【渡部雪絵さんプロフィル】
大学卒業後、三井住友銀行に入社して法人営業などを担当、その後、日本経済新聞社傘下の速報ニュース会社で金融・経済記者、三菱UFJモルガン・スタンレー証券で金融商品の開発などを担当した。13年に第1子を出産。