1年前に創設者のアルベール・エルバスを失った「AZファクトリー」が、ゲストデザイナーの南アフリカ人テベ・マググによるコレクションを発表した。
エルバスは生前、フランス人とアルジェリア人の血を継ぐアーティスト、チャフィク・シェリーに動物のイラストを依頼し、それをプリントにしていた。マググは初代が使うことのなかったこの素材で15ルックを制作。エルバスのぴったりしたシルエットとマググのゆったりしたシルエット、双方のボディーへの意識が美しく拮抗(きっこう)するコレクションに仕上がった。ポップなゼブラ柄に撥水(はっすい)加工を施したトレンチコート、リサイクルポリエステルのフリルのトップなどブランドのスタイルとテクニックを引き継ぐアイテムに、アシンメトリーのプリーツスカートやエレガントなブラウスなどマググのDNAを思わせるピースを取り入れている。6月と9月に分けて発売される。
AZファクトリーを有するスイスのリシュモングループは、マググに続き若手デザイナーをゲストに迎え同ブランドを発展させていく。
(パリ=松井孝予通信員)