フランスのメンズパンツ「ベルナール・ザンス」は日本市場で既存卸し先との取り組みを深めるとともに、卸し先の拡大を目指す。「50年以上の歴史に裏打ちされたアーカイブやパンツ専業としてオリジナルの素材開発を強みに日本の男性ファンも増やしたい」(フランク・ザンス社長)としている。
同ブランドは昨年10月にパリのサンジェルマン近くに2店目の直営店を開設した。欧州では英国やベルギーなどで新規の卸し先も増えている。グローバル市場に向けてはパリのクラシックな単品専業ブランドと協業し、イメージ訴求を強め、拡販を目指す。
日本では数年前からシップス、ビームス、ユナイテッドアローズなど大手セレクトショップでの販売がスタート。卸販売はピー・エム・シー(東京)が担当。各社との別注対応にも力を入れている。同ブランドの特徴であるタック入りでハイウエストなクラシックなパンツがメンズ市場のトレンドと合致してきたことで、さらなる拡大のチャンスとみている。
「日本のバイヤーは古いものを現代的にアレンジするのが得意なため、70~80年代のモデルをうまく進化させ、よみがえらせてくれる。だから、今の若い世代にも新鮮に受けとめられている」(ザンス社長)。
今春夏物では厳しい基準をクリアしたオーガニックコットンをフランスで織り・染め・洗いをかけた生地でカジュアルパンツを提案した。そのほか、通気性や速乾、撥水(はっすい)、抗菌など高機能のオリジナルで開発した素材を使ったモデル、トラベルシーン向けのツーウェーストレッチでイージーケアの柄物パンツもある。トーン・オン・トーンによる色の組み合わせも特徴だ。
18年秋冬のプレコレクションではシグネチャーモデルを布太畝(うね)のコーデュロイで豊富な色バリエーションで出す。
そのほか、スポーティーなジャージーをドレスに落とし込んだタイプやアイコン的な素材、極厚のリップコードを使ったサイドアジャスター付きツータックワイドパンツ、格子柄やボルドーのシャドーチェックのウールパンツなどを揃える。中心価格は2万円台後半~3万円台前半。