金子真の「カルマンソロジー」 靴好きのファンを獲得

2018/07/25 10:59 更新


 シューズデザイナー、金子真の紳士靴「カルマンソロジー」が期間限定店を軸に靴好きのファンを獲得している。オーソドックスな紳士靴だが、服とのスタイリングが思い浮かぶようなフォルムと、かかとが小さい日本人の足にフィットする型が特徴だ。今後も、物作りから売り方まで、ブランドの世界の表現にこだわっていく。

 18年春夏物でスタート。トゥモローランドや伊勢丹新宿本店メンズ館などで開いた期間限定店では期待以上の売れ行きで、今秋もいくつか出店が決まっている。シーズン12型、黒のみの企画。デザインをどんどん変えていくよりも、定番を残し、いくつかを新作で入れ替えていく。ドレス6型、カジュアル6型が基本で、19年春夏は50年代のロカビリーローファーをイメージしたデザインなどを加える。

 靴はヒールカップを小さくし、ホールドすることで靴の中で足が遊ぶことを減らす。アッパーの裏の革もシェービングとプレスで均質にする。そのためアッパーのステッチは3センチに17~19針と繊細だ。コバ部分も一般的に8針程度だが、レザーソールで11~12針だ。素材の良さや技術の高さで美しく、締まりのいい靴は1日2足程度しか作れない。靴底のかかとは反発性の異なる素材を3層にし、歩き心地にも配慮する。8万6000~12万円。

オーソドックスで艶がある

 期間限定店ではドレスとカジュアルの靴12足を2列の白い台に並べ、上から照明を当てるように見せるのが基本。小さい規模のなかで、物作りのこだわりやブランドの世界をどう表現するかを考えた。

 8月5日まで、トゥモローランド渋谷本店でセカンドシーズンの期間限定店を開いている。当面はセレクトショップや百貨店での期間限定店で販売、将来的には単品での卸販売を検討していく。

期間限定店では什器や陳列方法まで含めて表現する


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