ネット販売のワンピース(兵庫県加古川市)は、主力の婦人服ECサイト「カワイイ」に次ぐECサイトの育成を進める。一昨年にカワイイから派生したサイトを三つ立ち上げた。いずれもコンセプトが異なり、昨年はそれぞれの運営チーム作りに注力し、体制を整えた。今年はサイトのファン作りを重視し、増収につなげる。
同社は、サイト内での言葉の選び方など細部まで見せ方に気を配り、メッセージ性の強いサイト作りに力を入れている。主力のカワイイは、「ほかにはないカワイイ」がコンセプトで、大花柄のニットコート(1万1040円)やキツネ柄のセーター(4960円)など、装飾性の高い商品でコアなファンをつかんでいる。
仕入れは中国や韓国が中心。15年秋以降、カワイイで販売していたブランドの「オトナ」「スタイルフォーマム」「サンポ」を相次いで独立させた。オトナは「40代50代憧れられる女性へ」、スタイルフォーマムは「素敵なママになれる」、サンポは「もっと素敵な自分が見つかる」がコンセプト。ショッピングカートも分けて、新たな顧客作りに取り組んでいる。
コンセプトを重視したサイト運営のため、「これまでのトップダウンでは限界がある」(久本和明社長)として、昨年はチーム作りに注力した。チーム運営のためのミーティングや対話を増やし、スタッフの自主性を養った。スタッフ数は倍の140人に増やしたことで、「心の余裕につながった」という。各チーム内でコンセプトへの理解が進んだことから、今年は客への提案力を磨いていく。
顧客に17年の抱負を投稿してもらうなど、参加型の企画を増やしておしゃれのモチベーションにつなげたり、スタッフの座談会や商品紹介を増やして顔が見えるサイト作りに力を入れる。
17年1月期の売上高は前年比50%増の15億円の見込み。「楽天市場」のみで販売しており、カワイイが全体の8割を占める。今年もスタッフから声が上がり、二つのECサイトを開設する予定だ。