ニットデザイナー、高橋陽平さんの国産ニットブランド「コム・アーチ」(東京)は17年秋冬物から、レディスコレクションを始める。
メンズコレクションでデビューし、メンズのセレクトショップを主販路としてきたが、ユニセックスのセレクトショップでは女性がメンズのSサイズを購入するケースも少なくなかった。メンズと同じ素材を使い、シルエットや丈などレディス仕様の企画を14型加えた。
17年秋冬の重点商品は、熟練の職人が手横編み機で作ったニットプルオーバー(1万9000~2万円半ば)。メンズの16年秋冬物で好評だったためアイテムを拡充した。
自動横編み機と同じゲージで編んでも、より厚い編地になり、ふっくらと柔らかく仕上がる。「自動機より時間がかかっている分、商品の仕上がりに良さがきちんと反映される」(高橋さん)という。
使う糸は、生後1年未満という子山羊から採った貴重なキッドモヘア40%と、ウール35%、アルパカ25%との混紡糸。編地自体の膨らみも合わさり、ソフトで心地良い質感が特徴だ。商品はゆったりしたシルエットだが、前の丈をやや短くしてすっきりとしたデザインが特徴。同じ編地のストールもある。
ざっくり着れるオーバーサイズのニットローブ(4万4000円)も作った。糸は膨らみと弾力性を備えたウールを使い、ハリのある編地になっている。
鮮やかな色柄が目を引く手編みのニットプルオーバー(5万6000円)もある。表編み、裏編み、引き上げ編みの三つの技術を駆使して表情豊かな編地を作った。