総務省の家計調査で被服支出の内訳推移は、洋服がコロナ後も減少しているものの、その減少幅は縮小傾向にある。19年と24年、25年(1~10月平均)を比較し、消費市場の変化をみていきたい。
被服支出は総じてコロナ前水準を下回ったままだ。特に洋服支出の減少が目立つ。19年に月当たり4332円だった洋服は、24年に3727円、25年は3476円まで低下した。外出機会が戻っても、洋服を日常的に買い足す行動は復活していない。洋服が「優先度の高い消費」から外れつつある状況を示している。
洋服は男子の落ち込みが大きい。19年の1410円が25年には1080円まで減少し、在宅勤務の定着によるビジネス衣料需要の縮小が影響している。婦人も2473円から2008円へと減少した。子供は25年に持ち直したものの、全体としては抑制基調が続く。履物類も19年比で減少(1501円、1401円、1266円)し、外出関連支出の回復が不十分であることを裏付ける。
一方、被服関連サービスは25年にかけて小幅に持ち直しており(687円、590円、603円)、購入点数を減らしつつ、手持ち衣料を長く使う行動が広がっていることがうかがわれる。メーカーや小売りには、単価だけでなく、補修やメンテナンスを含めた商品を長く使うための提案が求められている。
