クロスディーズ・ジャパン 3D技術でオーダーシューズを安く早く丁寧に

2024/10/04 11:00 更新


3Dプリンターで作製した木型(手前)と完成したパンプス

 3D技術を活用してオーダーシューズを製作・販売するクロスディーズ・ジャパン(東京、諏訪部梓社長)が着実に売り上げを伸ばしている。オーダーシューズを一般の3分の1から4分の1の価格で、注文から2カ月ほどで提供する。1年間の月額定額料金制でメンテナンスも受けられる。

 同社は、パンプスの「AYAME」(アヤメ)、ひも靴の「菖蒲」の2ブランドでオーダーシューズを販売する。ホームページやX(旧ツイッター)を中心とするSNSで集客する。

 東京・堀留町の店舗や期間限定店で、ネットから来店予約した客に、気に入ったデザイン・革、要望や悩みを聞き、左右の足を3Dスキャナーで計測する。骨の位置などを確認する手計測も行う。ウェブで靴のケアなどのコミュニケーションをしながら集客し、リアルで丁寧な接客を行う。計測に1時間以上かける。

 これらのデータから木型を設計し、3Dプリンターで作製、これを使って社内の職人が靴を作る。注文から約2カ月後に再来店してもらって最終チェックし、商品を手渡す。

 料金は月定額制でパンプスが月6600円・12回、計7万9200円。ひも靴は月額7700円、計9万2400円。この1年間のヒールのリフト交換や底張り替えなどのメンテナンス費用も含まれる。2年目以降は月額1650円・6回(パンプス)、月額2200円・6回(ひも靴)のメンテナンスパックもある。

 期間限定店の地方出店にも積極的だ。コスト抑制と丁寧な接客のため、カウンターワークスが提供するオンラインリーシング「ショップカウンター」を利用し、ホテルや個人経営の雑貨店などで開催する。

 コロナ禍明けから顧客を増やし、製作した木型は1000足を超えた。Xのフォロワーは1万人。3Dの利用でオーダーシューズを安く早く提供する仕組みに加え、メンテナンスサービス、革には食肉牛や害獣駆除されたエゾシカなどを、木型にはトウモロコシ由来のPLA(ポリ乳酸)樹脂を使うサステイナブルな物作りも強みだ。

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