合繊織物製造の第一織物(福井県坂井市)が創業75周年を機に、DtoC(メーカー直販)に乗り出した。主力の高密度織物を使ったバッグ「ハロール」を立ち上げ、3月30日から応援購入サイト「マクアケ」で先行販売する。自社ECも構築して扱うほか、海外の販路開拓へ展示会出展も検討している。
ファッションテキスタイル事業を支える柱の一つ、極細ナイロン高密度織物「ディクロスDNAライト」を活用する。欧州ラグジュアリーブランドをはじめ、世界のアウトドア・スポーツ、ダウンウェアなどの有力企業で豊富な採用実績があるロングセラーだ。今回のバッグには、特に細い15デニールのスーパーブライト糸によるタフタを使った。軽く、鮮やかな発色と上品な光沢が特徴。
それを生地のロスが最小限になるよう5センチ幅にバイアスカットし、チューブ状に縫製。ポリエステルわたを詰め、しなやかな膨らみと伸縮性を加えた。100メートルに及ぶチューブを手作業で編み込み、一つのバッグに仕上げている。
チューブ作りから手編み、検品作業まで福井県で一貫した。中川浩孝社長は「福井の織物産業の歴史の中で生まれた技術と、それを継承する人の雇用を守りたい。地域に根差した生産を大切にしている。テキスタイル販売同様、福井から世界の方々へ届けたい」としている。
デザインはクリエイティブディレクターとして契約する丸川雅行氏監修の下、製品企画室全員で行った。コンセプトは「時代にとらわれず、明日も一緒に連れて行きたくなる」。ベージュや緑など6色を揃え、2万5600円(税込み)から。