ブランド運営管理ツール「アヤトリ」を提供するディープバレー(東京、深谷玲人代表取締役CEO=最高経営責任者)がコンサルティング業務を始める。
既存の得意先からの要望やデジタル化に悩む新規企業に対して解決策や方針を示し、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を後押しする。約1500アカウントを数えるアヤトリの機能は拡充しており、今後進めるITサービス企業との取り組みでさらに実現できることが増える。このほどマイクロソフトパートナーのクラウドサービス企業、ロイト(東京)と業務提携したのもその一環で、顧客企業と伴走しデジタル化の推進に寄与する。
アヤトリは、製造サプライチェーン上の非効率の解消を通じてブランド運営を円滑にするクラウドサービス。3年前に始めた。アパレルやOEM(相手先ブランドによる生産)の多くの製造現場では、手打ちの商品登録や「エクセル」でのデータ管理、メールでのやり取りなどトラブルが起きやすく効率が悪い。
これらのデータを一元管理するサービスで、1アカウント月額1万円と使いやすく、ユーザーが増えている。ジュンは営業担当も含め全社で使っているという。ワールドやマークスタイラー、IT企業など6社を経た深谷CEOは「自分も実務経験があるため作業者の課題は分かる。なるべく使いやすいように改善している」と言う。
サービス機能が充実するなか、既存ユーザー企業がさらなる業務の効率化を求めるケースもあり、同社がコンサルティングの役割を果たすことにした。例えば「基幹システムとつなぎたい」「ショッピファイと連携させたい」「レポーティングが欲しい」などの課題に対して適切な方向性と一つの解を示す。「導入の有無を問わず、まずは相談してもらいたい」(深谷CEO)。
アヤトリは、アパレルなどがこれまで使ってきたエクセルデータをそのままシステムに上げることができる。業務フローを変える必要がないのが売りだ。これをさらに深めるために、マイクロソフトパートナーのロイトと業務提携。マイクロソフトが提供するBI(ビジネスインテリジェンス)やCRM(顧客管理)ツールとも連携できやすくなる。
今後もメタバース(インターネット上の仮想空間)やAI(人工知能)などデジタル系のベンダーとの提携を広げながらユーザー企業の利便性を高める。デジタルデータの一元化が進めばPLM(製品ライフサイクル管理)に近いことも出来るし、データが蓄積できれば製販の需要予測も可能という。ディープバレーは、アヤトリの機能拡充を通じた利用層を拡大、売り上げ増を目指す。