ビンテージシルバージュエリーEC「ディッシーズヴィンテージ」 買い付けの物語とともに売る

2026/08/24 11:00 更新NEW!


三品颯樹さん

 ビンテージシルバージュエリー特化のEC「ディッシーズヴィンテージ」を運営している三品颯樹さん。英ロンドンを拠点に、欧州を旅しながら集めた個性的な商品が自慢だ。帰国した今夏からは期間限定店を強化し、買い付けの際のストーリーまで語る販売方法でファンを増やそうとしている。

(高塩夏彦)

雑多な個性が魅力

 元々は英国の大学院への進学を志していたが、円安で断念。ワーキングホリデーを活用し、24年にロンドンへ渡った。服やアクセサリーが大好きだったこともあり、休日は専ら古着屋やフリーマーケット巡りに費やしたという。そこでビンテージシルバージュエリーに出合った。

 「日本の古着屋に並ぶジュエリーは厳選されているが、ロンドンでは様々なデザインものが雑多に売られていて面白かった」と三品さん。この魅力を日本にも伝えたいという思いが生まれ、24年に越境ECを立ち上げた。事業は完全に未経験。ワーキングホリデーの収入をつぎ込んで集めた9点からのスタートだった。

 当初は売り上げが立てばすぐに仕入れに費やす自転車操業だった。ロンドン以外の英国の街や北欧の国々などにも出向き、足を使って古着屋やのみの市で商品をかき集めた。その様子をSNSで発信したところ、徐々に知名度が上がり始めた。ロンドンのおしゃれな友達をモデルに起用したビジュアルも評判になり、1年ほどで事業が軌道に乗った。

ブレスレットは重厚な物からサラッと使えるシンプルなものまで様々

思い出も付加価値

 欧州で過ごす最後の1カ月は冒険だった。ノルウェーを起点にイタリアまで夜行バスで旅しながら、ひたすらに買い付けた。帰国の途につく7月には約350点の商品が集まった。

 持ち帰った商品は多彩だ。60年代頃までのジュエリーは、シンプルに見えても金具やコマの作りに職人の手仕事が目立つ。北欧系は曲線が美しいミニマルな物が多い。1800年代頃の貴重なアンティークも多数ある。

リングのデザインも多彩で選びがいがある

 素材も一般的なシルバー925に限らない。たとえば白っぽい輝きが特徴の925に対して、800番台はどっしりと重厚感のある鈍い輝きを放つ。

 「一点一点に伝えたい魅力がある。買い付けた時の物語まで全て覚えている」。そのため、帰国後はリアル開催の期間限定店に力を入れ始めた。8月には東京・代官山の古着店「マダラヴィンテージ」の一角で販売会を開いた。

「マダラヴィンテージ」での期間限定店

 こだわりは、あえて値札を出さないスタイルだ。「これいくら?から、お客との会話が始まる。まるでマーケットで買い付けるような気持ちで対話しながら商品を選んでほしい」という思いを込めた。「思ったより買いやすかった」「高いけれど買い付けの物語に引かれた」など反応は様々で楽しいという。

 今後も店舗を借りての期間限定店を主軸にする考え。「これだけ癖のある商品を持っている事業者は少ない。集客イベントとしても活用してもらえれば」。個店に限らず大手セレクトショップや百貨店などでの開催にも挑戦したいという。「手持ちが売れたら、また買い付けの旅に出る。そのサイクルを作りたい」と意気込む。

貴重なアンティークの商品もある


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