ミラノでドルチェ&ガッバーナ展始まる イタリアへの愛と手仕事をつぶさに

2024/04/16 14:00 更新


「ガラス工芸の芸術と技術」ではベネチアンガラスがテーマ

 ミラノのパラッツォ・レアーレ(王宮)で、「ドルチェ&ガッバーナ」の展覧会「フロム・ザ・ハート・トゥ・ザ・ハンズ:ドルチェ&ガッバーナ」が始まった。7月31日まで。同展はミラノ市文化局がプロモーション、王宮およびイベントなどの総括運営を手掛けるインターナショナル・マネージメント・グループ(IMG)がプロデュースする。パリ装飾芸術美術館ディレクターで、デンバー美術館ファッション&テキスタイルアートキュレーターのフロランス・ミュラー氏がキュレーションを手掛けた。

 同展タイトルは、アイデアがハート(心)で生まれ、ハンド(手仕事)によって形作られる創造の旅路を表す。過去のアルタモーダ(女性用高級仕立服)コレクションを、「ガラス工芸の芸術と技術」「シチリアの伝統」「建築的、絵画的」「オペラ」などのテーマごとに映像や絵画、音楽を駆使してインタラクティブに展示した。同ブランドの創設以来の精神を支える「イタリア文化への深い愛」を感じると同時に、アルタモーダの繊細な手仕事を間近で見ることのできる貴重な機会となっている。

「シチリアの伝統」。シチリア特有の荷馬車の民俗的シンボルにフィーチャー。壁、床も職人が手描き
ルネサンスの絵画モチーフを集めプロジェクションマッピングを使ったインスタレーション
「オペラ」。ミラノスカラ座で発表したオペラがテーマのコレクション
「神性の夢」。シチリア島アグリジェントのギリシア神殿で開いたコレクション
「山猫」。シチリアを舞台としたヴィスコンティの映画「山猫」の舞踏会シーンを再現
ビザンチン様式のモザイクをモチーフにしたローブ。刺繍は5人の職人が6カ月かけた
アルタモーダのアトリエも再現
靴やバッグも展示

 エントランスには、新鋭クリエイターによる建築、音楽、演劇などをテーマとした特別制作のデジタルアート作品が展示され、クリエイターらに発表の機会を与えている。また、王宮内の作品や「玉座の間」などの部屋の修復にも協力している。同展は今後、世界を巡回する予定だ。

(ミラノ=高橋恵通信員)



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