ジュエリーブランド「イー・エム」が設立30周年を迎える。その記念のエキシビションをラフォーレミュージアムで開く。「みんながよろこぶモノづくり」「ありそでなさそなモノづくり」をコンセプトに、立ち上げからともに歩んできた仲谷英二郎さん、飛田眞義さんにこれまでの足跡や今後のビジョン、ブランド運営の重点を聞いた。
(中村維)
30年あっという間です。大変さもありましたが、それは忘れちゃったかな。ターニングポイントは、合同展示会「ルームス」に出たこともそうですが、東京・白金に小さなお店を持ったこと。開業時の表参道ヒルズに出たこともすごく大きかった。店はブランドを表現する場ですから。
気付く人に驚きを
ジュエリーのデザインは、今も2人でラフを描き、打ち合わせして決めています。かゆいところに手が届き、ひとひねりしたような。でもやりすぎず、気付いた人にだけ驚きがある。そんなニュアンスを入れたいと思っています。
4年ほど前からOEM(相手先ブランドによる設計・生産)も始めました。イー・エムとは違う柱があればというのと、色々なものを作ってきたので他のブランドにも使ってもらえたらなと。自分たちにない発想にも触れられます。例えばランウェーショーで使うアイテムの制作では、作ったことのない形やデザインに割と短期間で取り組むので毎回どきどきします。

手帳で思いを共有
セレクトショップは時代の変化に合わせブランドを入れ替えますが、ブランドは常にその価値を保ちつつ、お客さんにとって新しいものを提案しなければならない。維持していく難しさは常々感じています。
コンセプトはこの先も変わりません。でも、30年経ち、僕たちもおじさんです。いつか僕らがいない状況になってもイー・エムがしっかり残るよう、コンセプトや思いをスタッフと共有するための手帳を、数年前から半期ごとに作っています。ソウル・オブ・イーエムとして、理念やビジョン、社会の中でこうありたい役割だとかが書いてある。お客さんに楽しんでもらうには、売り上げとしての成長も必要。そこも常に考えながら、未来永劫(えいごう)続くブランドにしたいです。

