ドイツのランジェリー「エスコラ」の日本における正規輸入代理店となっているのがポーラスター(静岡県磐田市)。海外が好きで、「女性を魅了するビジネスをしてみたい」という思いを持っていた岡村糸玖子さんが会社員を辞めて起業した。欧州のランジェリー展でエスコラと出会い、「日本でこのブランドを広めていきたい」と先方を説得し、取り組みが決まった。
(山田太志)
上質なセクシー感
エスコラは、160年近い歴史を持つ老舗メーカー。古城で有名なドイツのコーブクルクに拠点を置く。伝統に裏打ちされたカッティング・縫製の美しさや品質、上質なセクシー感などが特徴で、「100年前、シェルフブラを世界で初めて開発したのが同社」という。
商品は、30~40代向けのエスコラを中心に、リーズナブルな価格の20代向け姉妹ブランド「ディアモール」、「マドモアゼル・ココ・カヴァリエール」なども扱う。価格はエスコラのブラジャーで2万円前後。
ファンを大切に
代理店として、サンプルオーダーから着手したものの、ビジネスは全くのゼロからのスタート。当初は販路開拓も思うように進まなかったが、18年春に中堅インナー企業の合同展「ブーケ」に出展して以降、セレクトショップや個人企業などへの販売が決まり始めた。卸販売だけでなく、友人や知人のつてを生かし、消費者向けの販売も進めている。地元の磐田市のほか、ブランドに興味を持った個人が愛知県豊橋市で販売会を開くなど、少しずつネットワークが広がってきた。
「無理をして数字を伸ばすのではなく、本当に次のコレクションを楽しみにしてくれるエスコラファンを一人ずつ広げていきたい」と岡村さん。2月に発効したEUと日本とのEPA(経済連携協定)も追い風だ。夢は、エスコラの販売を通じて「日本の女性が年齢に関係なく、ランジェリーというアイテムをもっと楽しんでもらうようになること」とほほ笑む。