【パリ=松井孝予通信員】EU(欧州連合)の欧州委員会は、衣料品のデジタル製品パスポート(DPP)に記載する情報など、具体的なルールを27年末に採択する予定だ。製品に求める環境面の基準と合わせて定める。今後、どの衣料品に、どんな情報が必要になるのかを詰める。欧州で販売する製品に関わるため、日本の繊維・アパレル企業も動向を見極める必要がある。
DPPは、製品の情報をデジタルで確認できる仕組み。衣料品に付けたQRコードなどを読み取り、情報にアクセスする。オンライン販売でも確認できるようにする方針だ。消費者が購入時に参考にするほか、修理や中古販売、リサイクルに携わる事業者の利用も想定する。製品を長く使い、使い終えた後も再利用や資源回収につなげる狙いがある。
記載する情報の候補には、繊維組成、手入れや修理の方法、再利用・リサイクルに役立つ情報、原産地などが挙がっている。ただし、すべての記載が義務になると決まったわけではない。欧州委は、技術的な調査や関係者との協議を踏まえて内容を固める。
27年末はルールを採択する予定時期で、その時点で直ちに義務化するものではない。土台となるエコデザイン規則は、企業が対応できるよう、例外を除き、具体的な規則が発効してから適用開始まで少なくとも18カ月を設ける。衣料品でいつから義務になるかは今後定まり、採択の日程も変わる可能性がある。
DPPを用意する主な責任は、EU市場に製品を投入する製造業者や輸入業者などが担う。流通、販売業者は取り扱う製品のDPPが利用できることを確認する。