UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とファーストリテイリンググループは6月16日、大阪・関西万博メディアセンターで、「難民支援活動メディア説明会」を開いた。難民問題の最新の状況、ユニクロのチャリティーTシャツプロジェクト「ピース・フォー・オール」(PFA)の近況、そしてユニクロが創設パートナーとして10万ユーロを寄付した「ディスプレイスメント・フィルム・ファンド」(難民映画基金)などについて説明。22日まで国連パビリオンで難民支援に関する共同展示を実施している。
(小畔能貴)
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最新の難民問題について、柏富美子UNHCR次期駐日代表は、迫害や紛争によって故郷を追われた人が、世界で1億2210万人いて、そのうちの4割が18歳未満であることを報告。「10年前の2倍以上に増えた一方で、人道支援のリソースは10年前とほとんど変わらない水準。今後の支援について市民社会、企業、学校、個人、政府、地方自治体、国際機関など多様なアクターが必要」と強調した。
ユニクロが創設パートナーとなった難民映画基金は、ケイト・ブランシェットUNHCR親善大使とヒューバート・バルス基金が25年1月に共同で創設。難民という境遇でありながら活動を続けてきた映画制作者5人に対し、短編映画制作のために各10万ユーロを支援し、26年のロッテルダム国際映画祭でプレミア上映の機会を提供する。この支援を通じ、より多くの人に難民の物語を届け、難民問題へ関心を高める機会を創出していく。

同基金の支援を受ける映画制作者のハサン・カッタン氏は、「自分にとって同基金は希望の光。何かを変えられそう。難民についての理解を広げていくものを制作したい」と話した。
国連パビリオンで実施している共同展示では、PFAの取り組みを紹介。新作の先行販売もしている。
