【PR】ユニチカトレーディング エコな紡績糸「パルパー・メイド・ウィズ・ソロナポリマー」を新開発 植物由来原料「ソロナ」を複重層糸に初採用

2020/10/12 00:00 更新


 地球環境に配慮した企業経営に取り組むユニチカグループのメーカー系商社、ユニチカトレーディング(UTC)はこのほど、環境配慮型の新しい紡績糸「パルパー・メイド・ウィズ・ソロナポリマー」(以下、「パルパー・ソロナ」)を開発した。主要な原料に米国の化学メーカー、デュポンの植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂「ソロナ」を採用し、それを綿の風合いとポリエステルの機能を高度に複合したUTC独自の特殊複重層糸「パルパー」に応用した。複重層糸に「ソロナ」を使うのは世界で初めてのケースで、11月から日本及び海外で販売を始める。

芯に「ソロナ」を使った複重層糸

■「パルパー」と「ソロナ」って何?

 「パルパー」は芯、鞘(さや)の二層構造になった複重層糸に分類される特殊な紡績糸。芯にはポリエステル、外側の鞘には綿を使うことで、表面は綿特有の柔らかな肌触りでありながら、吸水速乾性、洗濯による収縮の抑制、しわになりにくいなどの機能を併せ持つ。綿100%の糸と比べて、引っ張りや引き裂き、摩耗にも強い強力物性も備える。

複重層糸の“草分け的存在”で、2015年には販売40周年を迎えた。基盤技術の完成度が高く、素材の組み合わせや各成分の構成比率を変えて、様々な糸を生み出している。ユニフォーム分野で大型商品に成長した定番タイプほか、スラブ糸、芯を中空ポリエステルにした糸、リサイクルポリエステルを使った「パルパーエコ」なども揃う。

 一方の「ソロナ」は、適度な伸縮性や形態回復性などを備えるPTT樹脂の一つ。PTT樹脂は着用時の快適性が注目され、衣料用繊維としても需要が増えている。その中で「ソロナ」は、主要な原料に食用ではない工業用コーンから取り出した植物由来原料を使っている点が特徴だ。米テネシー州にある自社工場で生産しており、「徹底した品質管理と、トレーサビリティー(履歴管理)を確立している」という。環境認証の「ブルーサイン」を取得しているほか、LCA(ライフサイクルアセスメント)を実施し、自然環境に対する負荷を抑える製造プロセスで生産。日本ではエコマークにも認定されている。主な用途はカーペットや衣料品だ。

■「パルパー・ソロナ」誕生

生地はPTT特有の適度な伸縮性や形態回復性も併せ持つ

 2つのユニークな素材をかけ合わせて生まれたのが、「パルパー・ソロナ」。芯に「ソロナ」とレギュラーポリエステルの樹脂を雪だるま状に貼り合わせたコンジュケート原繊を用い、鞘は綿でカバリングした。これにより、表面の柔らかい風合いや吸水速乾性、高強力物性、耐洗濯性はもちろん、PTT特有の適度な伸縮性や形態回復性も併せ持つ。鞘の違いによって各種あり、販売するアイテムや商品特性により超長綿など綿を鞘に使ったタイプ(今後は、持続可能な綿花栽培の普及を目指す「ベター・コットン・ イニシアチブ」(BCI)の基準を満たすBCIコットンの綿やオーガニックコットン等も使用予定)、リヨセル・レーヨンを使ったタイプ、防縮加工をしたウールを使ったタイプに分かれる。

 UTCとしても、デュポンとしても「パルパー・ソロナ」はこれまでにない全く新しい素材。「『パルパー』で他社品とのダブルネームは初めて」というのはUTCの細田雅弘社長。今回UTCに「ソロナ」を供給するデュポン・スペシャルティ・プロダクツ(東京)の白井麻友美バイオマテリアルズ担当課長は「ソロナを複重層糸に使うケースは世界で初めて」と強調する。

 用途は、スポーツウェアやアウトドアウェア、ユニフォームを中心に、ファッション衣料、寝装品など生活資材など幅広く想定している。糸、生地売りにとどまらず、製品のOEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)でも活用する。

製品のOEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)でも活用する

UTCは生地、製品の生産および販売は海外拠点も活用して独自に取り組むが、販促はデュポンのサポートも受けながら進める考え。例えば、デュポンが出展する世界最大級のアウトドア用品見本市「アウトドア・リテーラー」や、国際素材見本市「プルミエール・ヴィジョン」などでも打ち出す予定だ。

■認証取得し品質保証

その際、「ソロナ」を使った生地を対象にしたデュポン独自の認証を取得していることを訴求し、品質をユーザーに保証する。デュポンが4月に立ち上げた認証プログラム「ソロナ・コモンスレッド・ファブリック・サーティフィケーションプログラム」において、「パルパー・ソロナ」は天然繊維混で、機能を備える生地カテゴリー「ソロナ・ラグゼ」の認証を取得済みだ。

「パルパー・ソロナ」は11月に世界で販売を開始。売り上げは20年度に3億円、21年度に10億円を計画。22年度には20億円を目指し、そのうち30%は海外市場での売り上げを見込んでいる。

企画・制作=繊研新聞社業務局

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