フリースよ、君はなぜフリースなの?

2016/09/03 08:42 更新


秋冬の定番として毎年出てくるフリース。フリースって名称を聞いただけではどうも、もこもこした製品のイメージと結びつきません。そもそも何でフリースって言うのでしょうか?

 

羊が毛皮を脱ぎ捨てる?!

元々、フリースとは、羊の毛の塊(かたまり)を指します。 皆さんが知っているウールは、羊の毛を刈り取るところから始まります。毛で覆われた羊の皮膚は奥深いところにあるのですが、まずその腹部にバリカンや鋏(はさみ)をあて、背中や手足部分にかけて剃っていきます。 この時、羊の毛は、人間の髪のようにバラバラになる、というよりは、まるで一頭の羊が分厚い毛皮を脱ぎ捨てたような状態になります。羊の毛の表面は縮れて絡み合っているため、まるで厚みのある一枚の毛皮のような毛の塊が生まれるのです。そう言えば、皆さんが店頭で手にするフリース表面の特徴と良く似ていませんか?それもそのはず、そもそも、この状態の羊毛をフリースと呼ぶからです。  

語源は羊から毛を引き抜く、だった

言葉の成り立ちにさかのぼると、さらにピンと来るはずです。 フリースの語源は印欧祖語という古い言葉の「pleus=引き抜く」で、羊から毛を引き抜いたことから来ています。その後、古ゲルマン語「fleusiz」を経由して古英語時代に「羊毛」「(頭髪や雲などの)羊毛状のもの」という意味で広がった、とされています。 これら羊の体を覆うくるくる・もこもこした状態を、工業的に再現した生地やそれを使った洋服が生まれ、フリースの呼称で広く知られるようになっていきました。冷え込む季節、羊の毛が身を包んでくれていると考えると、体感だけでなく、気持ちまで温かになってきませんか??

 

■カジュアルシーンのフリースアイテムが増えている
UABY15AW
タータンチェックのセーター2万円、フリースパンツ1万2000円「ビューティ&ユース」(ビューティー&ユースユナイテッドアローズの15~16年秋冬)


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